【独自】「事件性疑われる証拠ない」日本政府が国連に回答 フランス人女性行方不明 防カメ映像求め兄が警察と面会へ


概要

5年前、栃木県日光市を観光中に行方不明になったフランス人女性について、国連による2度目の捜査要請に対し、日本政府が「フランスの捜査共助の要請に従い適切に対応している」と回答したことがFNNの取材でわかった。

ティフェヌ・ベロンさん(41)は2018年7月、栃木県日光市で観光中に突然行方がわからなくなった。国連の拉致事件を専門とする強制失踪委員会はこれまでに2023年3月と9月、2度にわたって日本政府に、事件として捜査をすることや、フランスの捜査当局とベロンさんの家族に捜査状況を共有するよう要請していた。

国連は9月の2度目の要請で「フランス当局が防犯カメラ映像の提供を依頼したが、日本の捜査機関は『100の防犯カメラから得られた823時間分の映像を分析した』と回答するだけでプライバシーやデータの大きさを理由に映像提供を断った」と指摘していた。

これに対し日本政府は、国連の指摘に事実誤認が含まれているとし、「必要な写真なども提供し、フランスの捜査共助の要請に従い適切に対応している」と回答したことがFNNの取材でわかった。

また「ベロンさんが宿泊した部屋で鑑識による捜査を行った結果、血痕なども無く、事件性が疑われる証拠がない」などとして現時点で事件性を疑う証拠が無いことを繰り返し説明した。

一方、日本の警察からフランスの捜査当局や家族に提供された防犯カメラの映像は行方不明になる前日にベロンさんが宇都宮駅に到着した際の防犯カメラ画像や、日光市内のコンビニ店内でベロンさんが買い物をする様子が映る防犯カメラ画像、行方不明直前に宿泊施設で朝食を食べている様子が映る画像の3点のみだったとして、フランスの捜査当局は日本側に日本の警察が分析をした823時間分すべての映像の提供を求めている。

ベロンさんの兄・ダミアンさんは、11月4日にFNNのインタビューに応じ「もうだめかもしれない。一体いつになれば答えがみつかるのかわからない」と苦しい胸のうちを明かした。ダミアンさんは「日本の警察には捜査して頂いていることに感謝をしている。日本の警察が分析した防犯カメラの映像や、携帯の解析状況など全てを共有してもらえれば、どこまで捜査が尽くされたか把握することができ、自分たち家族も、ここまでして見つからなかったのであれば仕方がないとあきらめがつく」と話した。

ダミアンさんとフランス大使館は、8日午後、栃木県警の担当者と面会し、再び映像の提供を求めることにしている。

FNNプライムオンライン
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