死者2100人超に 被害拡大 「世界遺産」の街並みも一変


概要

8日、モロッコで地震が発生した当時の映像。

路地に1人の男性が現れた次の瞬間、地震が発生。

建物が崩れるとともに降り注いだがれき。
幸い、男性は間一髪のところで逃れることができた。

モロッコ中部で起きたマグニチュード6.8の地震。

現地メディアは、これまでに2,122人が死亡、2,400人以上が負傷したと伝えている。

死傷者がさらに増える可能性もあるといい、いまだ被害の全容は見えていない。

崩れた建物の跡地に残っていたのは、土やレンガ、石など簡易な素材。

現地の人は、今後の不安について話した。

マラケシュ市民「最悪の気持ちです。高齢者やお子さんのことがとても心配でした。誰もが何が起きたのか事態を把握できない状態で、家から脱出できない人たちもいた。これから何をどうすればいいかわかりません」

モロッコは、アフリカ大陸の北西にあり、大西洋と地中海に面する日本人にも人気の観光地として知られている。

世界遺産にも登録された古都マラケシュの旧市街の美しい街並みは、今回の地震で一変してしまった。

国際会議に出席するためモロッコを訪れていた石川・白山市の田村敏和市長は、当時の状況を振り返った。

石川・白山市 田村敏和市長「ホテルの部屋で就寝中でした。30秒ほどですが、かなり強い揺れでビックリして目が覚めた状態です」

地震による影響で会議をするための建物にヒビが入り、仮設テントで会議を行ったという。

さらに…。

石川・白山市 田村敏和市長「家にちょっと住めない状態で、路上で生活している方も多数見られます。建物とか仮設(住宅)とか、そういうものもあればいいのかなと思います」

モロッコ中部を襲ったマグニチュード6.8の地震による犠牲者の数は増え続け、死者は2,100人を超えている。

犠牲者の数は、さらに増えるおそれも。

地殻変動について長年研究している西村教授は、被害が拡大した背景に、モロッコのある環境が関わっていると指摘する。

京都大学 防災研究所・西村卓也教授「モロッコ自体の地震活動というのは、日本に比べるとすごく低い。数千年に1回、大きな地震が起こるような場所」

およそ100年間、大規模な地震がなかったモロッコ・マラケシュの旧市街。

専門家は、地震があまり起きない環境だったことから、建物の耐震性能が十分でなかった可能性を指摘する。

京都大学 防災研究所・西村卓也教授「頻繁に地震がある国は、耐震基準をしっかりする。モロッコはそういう建築基準がなかったのではないか」

また、モロッコ在住の日本人は…。

モロッコ在住16年・和田麻弥さん「倒壊の被害にあった建物の多くが、鉄骨みたいなものが入っていない古い伝統的な工法の家だと思う」

FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/


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